オフィス スマイルベアー

富山県中小企業家同友会『第30回経営研究フォーラム』-本気の実践-『ヘリウムガスの危機!』『着物が上市町を救う!?』

年に1回、今年の『経営研究フォーラム』は?

2019年11月13日(水曜日)

私が所属する富山県中小企業家同友会の『第30回経営研究フォーラム』に出席しましたのでレポートします。

 

テーマは、【本気の実践】~地域づくりの本流へ踏み出そう~でした。

今年の経営研究フォーラムは、『地域づくりの本流を担うべき私たち中小企業家が同友会での学びや気づきを本気で実践し、企業づくりに取り組むことで地域の未来を見据えて自社のビジョンを語り合う場にしたい!』と考え、『最高の講演会』と『様々な角度からの分科会』を企画し開催されました。

 

※富山県中小企業家同友会HPより一部引用しております。

『成長企業の条件とは?』藤野氏記念講演

『成長企業の条件とは?』~投資家、起業家視点からの地域づくり~

講師:レオス・キャピタルワーク(株)代表取締役社長・最高投資責任者 藤野 英人氏

 

冒頭、藤野先生のお話は、

『日本の将来に対して自信がある。』

という力強い言葉からスタートしました。

 

一方で、

『富山県は相当がんばらなければいけない!』

とも言われます。

 

藤野氏が今、大きく感じていることは『若者の変化』です。

一般的な若者はのんびりしていますが、『若者の中でも最優秀と言われる人たちが激変している』と言うのです。

 

最優秀の若者は今、

  • 自分でベンチャー企業を立ち上げるようになってきた。
  • 東大卒の最優秀な若者が自分で会社を立ち上げるようになってきた。
  • エリートと呼ばれる若者たちが、官僚にならなくなってきた。
  • 大企業に就職せず、ベンチャー企業、外資コンサルに入るようになってきた。

という変化が起こっています。

 

かつては、最優秀な人材が、昔ながらの古い会社に入って、せっかくの高い能力を腐らせてしまった。

これからの未来が不確定だから、大企業に入っても、中小企業に入っても、将来のことはわからない現状がある。

大手企業よりも、ベンチャー企業の方が、自分がやりたいことができる。自分の腕をふるえる。という事なのです。

 

ひとつ例を挙げると、21歳の男の子が、投資家から資金を調達して、

『タイミー』という会社を立ち上げました。

 

タイミーは、

『この時間だけ働きたい』働き手と、『この時間だけ働いてほしい』雇用主を結ぶマッチングアプリを提供しています。

タイミーの利用者数は2018年8月のサービス開始から増え続け、都内の学生を中心とした25万人以上が登録中。

都内で働ける場所は3,000箇所あり、日々増加しています。

これまでにない、ニーズをしっかりと掴んだ新しいサービスです。この先一気に広がると予想されています。

※『タイミー』のWebサイトはこちらから

 

このように、今の若者の最優秀な若者がこれからの日本において、どんどん活躍してくれることが、『日本の将来に対して自信がある』と言えるのです。

 

藤野氏は、企業へ投資していますが、

『企業への投資』とは、『人の可能性への投資』だと考えておられます。

  • 『機械を動かすのも人、技術を磨くのも全ては人』
  • 『働く人を率いている社長の考えが重要』
  • 『大事なのは経営者や社員が生き生き働いているか』

まさに同友会でいう所の『人を活かす経営』が求められているという事です。 

 

藤野氏が今注目しているのは、地域ビジネスです。

昨年、富山で起業したい人の拠点づくりとして、朝日町の古民家を購入し、一般社団法人『みらいまちLABO』を設立されました。

『ビジネスチャンスとは社会に開いている【穴に気付き】【穴を埋める】こと』です。

 

【穴】とは、高齢化・空家・介護・後継者や人手不足・防災など社会課題や矛盾のことです。

ネガティブに捉える人が多いですが、【穴】が埋まればいい社会になります。

 

世の中に不足していることやどうすれば良くなるかを考えるのに、富山も東京も関係なく、

『チャンスは誰にでも平等にありピンチをチャンスに考える力が必要』である。

いうお話をしていただきました。

第1分科会(長くつづく会社)

「人を生かす経営が、時代の要請に応える企業の条件」

 ~企業としてSDGsにどう向き合うか

【報告者】

一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター

特任研究員 松岡 秀紀 氏

第2分科会(継ぎたくなる会社)

「働きたくなる、継ぎたくなる会社づくりは、今、ココから」

 ~魅力的な「働く環境づくり」こそが、人を生かす経営実践の突破口

【報告者】

香川県ケアマネジメントセンター(株) 代表取締役

香川県中小企業家同友会 代表理事

中同協 経営労働委員長 林 哲也 氏

第3分科会(入りたくなる会社)

「共に育ちあい豊かな運び手として社会に貢献する企業」

 ~企業使命は人づくり・社員がイキイキと働く風土へ

【報告者】

川端運輸(株) 代表取締役

奈良県中小企業家同友会 代表理事 川端 章代 氏

第4分科会(挑戦する会社)

「新たな挑戦で真の成功企業になる為には?」

 ~成功への可能性を高めるブラッシュアップ大作戦

【報告者】

高岡支部 (有)荒木商会 代表取締役社長 荒木 信幸 氏

城南支部 十全美装(株) 代表取締役社長 澤田 慎之介 氏

新川支部 (有)髙田鉄工 専務取締役 高田  大輔 氏

『ヘリウムガスの危機!!』『着物が上市町を救う!?』

第4分科会では、『挑戦する会社』というテーマで、県内の3企業の経営者が自社で取り組んでいる挑戦について報告をしてくださいました。

 

同友会といえば、グループ討論です。

いくつかの小グループに分かれて、テーマに沿って自社の例を話しながら、学びを深めます。

 

私が参加したグループでは、上市町の経営者の方、副町長さんもいらしたので、行政と民間のどちらからの話も聞けました。

上市町は、これからの30年で人口が半減していきます。それにより、『消滅指定都市』に選ばれています。

どうやったら、この上市町に移住してくる人を呼べるのか、どうやって自社が生き残っていくのかを話していただきました。

 

着物屋さんは、ここ数十年で10分の1に減った市場で、これから先どうやって生き残っていくのかという課題に対して、新商品の開発に取り組んでいます。『第二の着物』として、今までになかったものを創り出します。また、販路を海外に広げていくという施策にも取り組んでいます。

 

バルーンアーティストをされている方は、喫緊の課題で、中に入れて風船を飛ばす『ヘリウムガス』がアメリカの輸出削減などにより、手に入りにくくなっているという死活問題に直面しています・・・(;゚Д゚)。自分たちだけではどうしようもできない外部環境の中、生き残っていく為には何をしていかなければいけないのかを話し合いました。『バルーンに着物を着せる』映える演出など、異業種とのコラボも話に出ました。

 

上市町は、行政と民間が連携をして、町に若者が住んでくれるために様々な施策を行っています。学生に参加してもらって、地元の企業や産業をよく知ってもらう為、参加型のイベントを行います。同友会員さんが中心になって、民間、行政、学校が一緒になって産学官連携で行われていてる『ハッピー上市会』がその代表例です。

 

看板屋さんは、現在そこまでの危機的状況にはないモノの、常態化している看板に何か変化をつけていかなければいけないという課題があります。どこも似たような看板ばかりになってしまうので、より独創的な看板を創っていく必要があります。そんな中出てきたのが、『看板を着物地で作る』というアイデアです。

 

スマイルベアーは、『日本語教室&コミュニティー』をスタートしています。富山県内各市町村に、通いやすい教室をつくることで、今後ますます増加する外国人が住みやすい、暮らしやすい、街づくりを目指していきます。『外国人との共生』は待ったなしに迫った人材不足の解消に不可欠です。来日した『外国人の方に日本の着物を楽しんでもらう』という日本の文化も知ってもらい、好きになってもらう。皆さん喜ぶと思うんですよね。

 

お!?

やはり『着物が上市だけでなく、富山県も救うのか?』

という事になりました。(笑)

 

異業種の集まりだからこそ、これまでに気付かなかったアイデアが生まれます。こういった仲間からの笑い話から、すごいアイデアが生まれることがあります。

そしてそれを実践することですね。

 

これまでになかったものを生みだす。新しい事への挑戦は、行動に移せば必ず何かの変化を生みます。

民間だけではなく、行政との連携、異業種とのコラボ、色々なところに【穴】が有ります。

その【穴】を見つけて、【穴】を埋めていく。

 

企業家としての、大きな学びがありました。今日から実践します!!                                                                                                                                                

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