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【リーマンの4倍!?】業種別の求人状況を分析。コロナ後の恐ろしさはこれからやってくるの?

※富山労働局『富山県の雇用情勢(令和2年4月)』より引用

雇用情勢は5年前の水準。アメリカでは失業率が14.7%に・・・

2020年4月末現在の労働市場は、新型コロナウィルスの影響を受けて大きく変動しました。求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す『有効求人倍率』は、富山県において昨年2019年の【1.95倍】から【1.43倍】へ激減しました。▲0.52ポイント減です。1人あたり1.95件あった求人数が1.43件に減ったという事です

それでも1倍を切っている訳では無いのでリーマンの時のような状況までは『まだ』いっていません。求職者にとってはまだ仕事を選べるじゃないかという見方もあります。ただ、事はそんなに単純ではありません。

数字やデータは嘘をつかないと言います。では数字から分析すると何が見えてくるのかを考えていきたいと思います。

上のグラフを見ると、平成31年4月のピークから緩やかな減少と、今年に入ってからの急激な減少が見て取れます。以前の記事でも書きましたが、1月に激減しているのは『コロナ前』今年に入ってインターネットサービスをスタートしたことによる求人減が多少なりとも影響しています。

しかし、この3月から4月の減少傾向は確実に『コロナ後』と言える影響が出始めていることを示しています。

今朝の読売新聞によると、4月の休業者数が急増して『597万人』=『リーマンの4倍近くに』なっているとのことです。

しかしこれはあくまでも『休業者』であり、『失業者』ではありません。現在、特別給付金や雇用調整助成金、休校に対する助成金など、国や行政、企業が必死の努力で『失業者』を出さないように取り組んでいます。それでも失業率は年末までに『2.6%』⇒『4%』に上昇する。と予想されています(リーマン時は5%)。

※読売新聞2020年5月30日朝刊より転載

最もアメリカの『失業者数、失業率』は4月で『20,500,000人、14.7%』と世界恐慌以降最悪の水準となっています。

コロナの抑え込みにしても、失業者を出さないという取り組みにしても、本当に日本という国の素晴らしさを感じます。

富山県の『1年前と今』どう変化したのか?

2019年4月の有効求職者数は『15,197人』です。2020年4月は『15,431人』です。それほど大きく変わっていません。

2019年4月の有効求人数は『28,078人』です。2020年4月は『20,909人』です。25.5%減少しています。

2019年4月の新規求職者数は『4,569』です。2020年4月は『4,245人』す。それほど大きく変わっていません。

2019年4月の新規求人数は『10,224人』です。2020年4月は『6,343人』です。38.0%減少しています。

実は、『求職者』(仕事を探している人)はそれほど増えていないことになります。圧倒的に『求人』(仕事の数)が減っているという事になります。前述した通り、雇用を維持する為の給付金、助成金、補助金により何とか繋いでいる状況という見方ができます。

問題はこれからです。現実にコロナ関連の倒産が増加しているという報道がされています。解雇されたり、企業が倒産する場合は失業給付をすぐに受けられます。このような状況が拡大したとすると、今の数字はさらなる悪化が予想されます。年末までに失業率が4%になる可能性がでてくるという事です。

ではどの業種が影響を受けているのか?

それぞれの業種ごとの求人状況を見ていきましょう。(フルタイム・パート含む)

【産業分類】2019年4月/2020年4月/増減率

【農、林、漁業】70人/39人▲44.3%

【鉱、採石、砂利採取業】9人/13人/44.4%

【建設業】1,077人/890人/▲17.4%

【製造業】1,860人/871人▲53.2%

【電気・ガス・熱供給・水道業】7人/8人/14.3%

【情報通信業】61人/63人/3.3%

【運輸業、郵便業】609人/304人▲50.1%

【卸売業、小売業】1,527人/929人▲39.2%

【金融業、保険業】39人/26人▲33.3%

【不動産業、物品賃貸業】95人/70人▲26.3%

【学術研究、専門・技術サービス】277人/118人▲57.4%

【宿泊業、飲食サービス業】716人/358人▲50.0%

【生活関連サービス、娯楽業】360人/126人▲65.0%

【教育、学習支援業】123人/74人▲39.8%

【医療、福祉】2,112人/1,702人/▲19.4%

【複合サービス事業】39人/42人/7.7%

【サービス業】1,057人/541人▲48.8%

【公務・その他】186人/169人/▲9.1%

【合計】10,224人/6,343人▲38.0%

ほとんどが20%以上の減少となっています。

 

【企業規模別】2019年4月/2020年4月/増減率

【29人以下】5,984人/3,766人▲37.1%

【30~99人】2,540人/1,497人▲41.1%

【100~299人】1,158人/796人▲31.3%

【300~499人】244人/132人▲45.9%

【500~999人】70人/117人/67.1%

【1,000人以上】228人/35人▲84.6%

こういうネガティブな数字を見ていると、正直嫌になってきますよね。

全国の失業者数、失業率は、2019年4月、176万人2.4%でした。2020年4月、189万人2.6%です。

富山県の失業率は、3月までのモデル推計値ですが、2019年1-3月、1.8%でした。2020年1-3月、1.8%です。3月までなのでまだわかりません。

求人倍率は、毎月末に各労働局より発表されています。月末によくニュースで発表されています。有効求人倍率は経済や景気の指標にもなります。求人が増えているという事は、経済が活発であると言えます。求人倍率が高くなるという事は景気が強いという事です。ですから下がるという事はそういう事です。

人材採用コンサルティングって危機じゃないの・・・?( ;∀;)

企業が新型コロナウィルスにより求人を減らしたり、採用を見送るという事は、私の本業である人材採用に関するビジネスって真っ先に無くなるんじゃないの?という見方もされます。大丈夫なの?と心配のお声をいただく事もあります。

影響が全くないかというとそんなことはありません。多少なりとも影響は出ます。ただ、幸いそこまでの影響は出ていません。

この状況でも引き続き雇用を継続し、採用を強化している企業は沢山あります。その背景には元々の採用難や人材不足が影響しています。逆に今が採用チャンスという事で、積極採用をすすめている企業もあります。

また、新卒採用をすすめている企業も同様です。新卒採用の中小企業の倍率は以前のピークで10倍を超えていました。大手が採用を控えている今、新卒学生を採用するチャンスが来ています。学卒者は、会社の中枢を担う存在になります。そういう意味でも優秀な学生は何とかして確保したいというのが企業としては当然の考え方です。

新卒採用において、現在コロナウィルスの影響により合同企業説明会ができずに、WEBを活用した説明会に完全シフトしています。大手では最終面接まですべてWEB上で完結してしまうという動きも多々あるようです。一度も会わないってなかなかですね。

私がお手伝いしている外国人の採用においても、SkypeなどのWEBを使って面接してそのまま採用するケースがかなり増えています。以前はベトナムなどに訪問して面接をしてくる動きが多かったのですが、最近はWEBでどこにいても面談が可能です。私の場合はWEBを活用することも本業とし、新しい世の中の変化に対応していく事を業としています。

『コロナ後』って本当に恐ろしいですか?

これから先の『コロナ後』の世の中が、どのようになっていくかは誰にもわかりません。様々な想像ができるでしょう。

でもこれ、『ある意味スタートラインじゃないですか?』

ここ2ヶ月ほどの間に、生活スタイルが大きく変わりました。休業を余儀なくされた飲食店は軒並みピンチを迎えました。そんな中で『テイクアウト』が世の中で注目を浴び、『ドライブスルー』スタイルで販売を拡大しました。新しく商品価値を高めて、販売経路を見出したんです。そのおかげで家賃が払えたというオーナーも多いです。

マスクが足りないからマスクを作り始めた企業、医療資材が不足しているから作り始めた企業、アクリル板やシートを設置して再開を心待ちに必死に自粛に耐えたお店など様々です。きっと多くの人が考えて悩んで、今できることや必要なモノを探したはずです。そしてこれからどうしていくかを。

もちろん。特に何にも取り組まずに時間を過ごした人もいるでしょう。感染拡大防止の自粛大事です。そのおかげで日本は欧米各国に比べて感染拡大をおさえることができました。自粛やコロナの影響は心にも表れますよね。やる気をそぐようです。少しわかります。。。

世の中にはたくさんのニーズがあります。『コロナ』によって生まれた新しい『ニーズ』があります。ニーズから新しい『ビジネスモデル』も誕生しました。『テレワーク』『オンライン〇〇』『WEB合同企業説明会』『マイナンバーカード』新しい取り組みが開始され、様々な不備が見つかり、今後修正されていきます。

これって『チャンス』でもあります。ある意味『スタートライン』だと思います。

これまでやってこなかった困難に、多くの企業や人がぶつかっています。その中で変化に対応している、常に新しいことに取り組んでいるとこれはチャンスに変わります。前向きに考えませんか?( ´艸`)。これからの変化に、ニーズに、チャンスを見出しましょうよ。

『コロナ後ってチャンスですよ!』『ニーズをカタチに!』

 

『富山の人材不足解消と外国人との共生をサポートする』

『あなたのお困りごとを解決して共に笑いあえるパートナーに』

オフィス スマイルベアー  山口 真二

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