外国人雇用のはてな?ベトナムの『送出機関』の数が300に!?
多すぎる『送出機関』どれくらいの数があるの?
『送出機関』とは、『技能実習生』になろうとする外国人を、日本の『管理団体』に取り次ぐ外国の機関のことです。例えば現地の日本語学校を経営する法人や、旅券や査証の取得代行手続を行うもの等が該当します。一般的には『管理団体』は日本での取次機関、『送出機関』は母国での取次機関と考えることができます。
この『送出機関』は、技能実習生の募集や選抜をしますので、『優秀な技能実習生』を採用しようと思えば、『優秀な送出機関』を選ぶ必要が出てきます。なぜなら、『技能実習生』は選抜で決定すると約半年間、日本語教育や日本の文化の教育を受けます。この教育によって、日本語スキルなど、入国時にかなりの差が出ることになります。
この『技能実習生』を受け入れようとした時、日本の『管理団体』を通すことになり、多くの企業はこの管理団体が契約をしている『送出機関』から受け入れることになると思います。管理団体の選定にも、地元の地域の組合や、同業の組合、知人が受け入れている組合と、殆どのケースで何かしらのツテで決めていることがほとんどだと思います。
初めての外国人の受入れであればなおのことですが、何事も知っている人が使っている所を使う方が安心します。
では、いったいどれくらいの数の『送出機関』があるのかを見ていきましょう。
※JITCOさんのホームページより引用させていただいています。
インド・・・【22】
インドネシア・・・【178】
ウズベキスタン・・・【52】
カンボジア・・・【75】
スリランカ・・・【50】
タイ・・・【36】
中国・・・【295】
ネパール・・・【203】
バングラディッシュ・・・【2】
フィリピン・・・【268】
ベトナム・・・【300】
ペルー・・・【確認中】
ミャンマー・・・【222】
モンゴル・・・【78】
ラオス・・・【17】
正直、多すぎます・・・。
こんなに多くの『送出機関』からどうやって選ぶの?
一つの例ですが、私がベトナムを訪問した時に、送出し機関を見学してきました。2週間くらいで20機関以上を見学しました。1週間は経済都市ホーチミンで、1週間は首都ハノイです。当時でも250以上はありましたが、今は300です・・・(^^;)。
では、どうしたかというと、以前はJITCOさんのホームページから日本語対応がある『送出機関』が掲載されていたので、まず日本語対応ができる機関を探しました。当然私はベトナム語はできませんし、英語は中学校レベルです。日本語を頼ってみることにしました。
更にホームページの存在を調べました。ホームページがちゃんとあるってこういう時にも一つの選択肢になります。日本ではほぼ当たり前になっているホームページも、現地ではまだまだないところが結構あります。その中から問合せを日本語で送って、返信をくれたところをピックアップしました。
そして最後にしたことは、これが一番大事かもしれませんが、優秀送出し機関のリストを参照したのです。在ベトナム日本国大使館のホームページの中に、送出し機関の業界団体であるベトナム海外労働者派遣協会が毎年送出機関のランキングを公表しているランキング表があります。ランキングでは行動規範に基づいて送出機関の評価を星の数(最大6つ。単年評価の最大は5つ星)で表しています。
これをピックアップした『送出機関』と照合することで、訪問する機関を決めたというわけです。
『はい。かなりの手間と労力でした(笑)』
ベトナムを例にとってまとめます(日本で一番多く技能実習生が滞在している国なので)が、
- 送出し機関300の中から、日本語対応できる期間をピックアップ
- ホームページの存在を調べ、問合せしてみる
- 反応があった期間をピックアップ
- 優良送り出し機関と照合し、ターゲットを決める。
いかがでしょうか。
実際には、知人の紹介もあり優良送り出し機関以外の機関にも行きました。比較の意味も含めて。おかげでいろいろと違いを知ることができました。
これが『優良送出機関』の決定的な違い
『送出機関のランキング』をご紹介しました。☆6が一番優秀なのですが、私が訪問した時は確か☆5までしかありませんでした。そしてこれはあまり鵜呑みにすることはできません。長く歴史がある機関が主要団体であることも影響しています。
☆6は2つしかありませんが、
☆5は53もあります・・・(笑)
さて、私が見てきた『送出機関』のポイントは、次の通りです。
※金額、数字などは明記できませんので、最後にお問い合わせください。
- 優良機関の☆の数
- 日本へ送り出している人数
- 送出している業種
- 送出している地域
- 日本駐在員の人数
- 日本駐在所の所在地
- 失踪の割合
- 管理費
- 日本人講師の数
- 教育システム
【まとめ】
優良機関の☆の数が高いほど、日本語教育のシステムは確立しています。PC等を活用した教育システムの導入をおこなっている機関も増えています。また、面接して採用が決まってから教育するところもあれば、既に入校して日本語教育を進めてから選抜を受けさせる機関もあります。一方、管理費が高くなるのも事実です。
特に大きい送出し機関は歴史も長く、毎年数千人の実習生を送り出しています。建物も大きく、安心感があります。日本で実習生を終えた子たちを採用して日本語教育の先生として働く子も多いです。まだ比較的新しい機関は、他の機関の良い所を取り入れているので、一概に古くからある機関が良いとも言えません。
選抜もそうですが、在留資格の取得などには多くの書類のやりとりが生じます。そういった事務的手続きは敏速な方が、業務がスムーズに進みます。そういった点も、付き合いをする上では重要ではないでしょうか。そういう意味でも、日本人の担当者が存在する機関の方が、実務には長けている気がします。
私は実際に自分の目で見て、一緒に仕事をしたいと思う人や機関にお願いするようにしています。何事も信頼関係は必要ですからね。それぞれに何を重視するかによって選び方は決まってきます。
実態として
『技能実習生』の受入れに現地の事情に精通している『送出機関』は重要な役割を担っています。一方で、失踪を防止する為と称して、技能実習生や家族から保証金を徴収したり、理不尽な貸し付けを行っている不適正な送出機関も存在します。制度の趣旨や目的を理解せずに、制度を単なる出稼ぎと捉えて来日する技能実習生の存在も指摘されています。
法改正などの厳格化により、かなり問題解決されてきているのが現状ですが、以前は、賃金の未払いや、暴力など、ひどい待遇をしている機関や悪徳なブローカ被害もあったようです。そういった機関では失踪も相次いでいます。適正な運用を行っていれば、失踪することもありません。雇用する側は、その責任を果たして、適正な運用を行うことが必要です。
技能実習制度を適正に運用する為にも、送出機関の規制の強化など、適正化を図ることが必要となります。これは同様に、日本の受入れ『管理団体』にも言えます。技能実習生になろうとする者からの求職の申込みを取り次ぐ外国の『送出機関』について、適正な『送出機関』を選んでいく必要があります。
スマイルベアーでは、外国人の雇用に関するサポートも行っています。
- 『技能実習生』の受入れ支援
- 『エンジニア(技術・人文知識・国際業務)』
- 『特定技能』の受入れ支援
- 『外国人労働者』の募集、選定に関する支援
- 『外国人労働者』の生活支援
など、幅広く外国人材の受入れに係る支援業務を行います。現地の情報や海外進出のサポート、現地機関の紹介なども行います。
『あなたのお困りごとを解決して、共に笑いあえるパートナーになりたい』
オフィス スマイルベアー 山口 真二